1:まとめらいぶ 2019/02/08(金) 00:41:52.68 ID:CAP_USER
LED電球が世の中に登場した初期のころは、パッケージの箱に
「5万時間もの長寿命」「10万時間使用可能」などとうたわれていました。
しかし、記事作成時点では販売されているLEDの多くが7500~2万5000時間程度の寿命と
なっています。「なぜLED電球の寿命は当初よりも減っているのか?」という疑問について、
エンジニアのTed Yapo氏が解説しています。
What Happened to the 100,000-Hour LED Bulbs? | Hackaday
【ハッカデー】
https://hackaday.com/2019/02/05/what-happened-to-the-100000-hour-led-bulbs/
Yapo氏によると、電球の寿命を語る際にはかつて白熱電球の生産と販売を支配するために結ばれた
国際的カルテル「ポイボス・カルテル」について避けて通れないとのこと。第1次世界大戦後の
1924年に結ばれたポイボス・カルテルは、アメリカ・フランス・ハンガリー・イギリス・ドイツと
いった複数の国の企業によって結ばれ、白熱電球の寿命が1000時間を超えないようにするという
規制を設けました。
ポイボス・カルテルが結ばれる以前は1500時間~2500時間以上の寿命を持つ白熱電球もありました
が、カルテルは「長寿命の白熱電球は効率を下げ、光量にも問題が出る」として、参加企業が1000
時間を超える寿命の電球を売らないように取り決めを結びました。カルテルは白熱電球の寿命を
およそ半分にし、11~16%程度明るさを増やすだけで、以前の倍の売り上げを達成することが
できたそうです。
メンバー企業が販売する電球は常時検査され、寿命が1000時間よりも著しく短かったり、著しく
長かったりすると罰金が科せられるシステムでした。この罰金契約については外部に公表されず、
電球の寿命が一律で1000時間程度であることには、効率性などの面での理論的根拠があると
見せかけられていたとのこと。カルテルは第二次世界大戦時に機能不全となりましたが、
20年近くにわたって白熱電球の発展を妨げ続けたとYapo氏は述べています。
電球のパッケージに「寿命は1000時間」と書かれている場合、この「寿命」とは平均定格寿命のこと
を指します。これは規定の条件下で試験した際の平均寿命値を示したものであり、「電球の初期
サンプルのうち50%が寿命を迎えた時点」が、平均定格寿命となるそうです。つまり、全電球の
うち半数程度しかパッケージに書かれた寿命を達成できず、残りの半数はパッケージの寿命を
超えて光り続けます。
LED電球の寿命について考えるために、実際のLED電球の仕組みについて考える必要があります。
Yapo氏は同じA19型のLED電球でありながら、寿命が「7500時間」「1万5000時間」「2万5000時間」
という3種類の電球を購入し、中身を確認してみたとのこと。
以下の画像にある3種類のLED電球は、左から「7500時間」「1万5000時間」「2万5000時間」の寿命
となっています。LED電球は光を発するLEDチップだけでなく、電源から送られる交流電流を直流
電流に変換するLEDドライバ、電解コンデンサなどの部品から構成されているとのこと。寿命が
7500時間のLED電球はLEDチップとLEDドライバが同じボード上に存在している一方、1万5000
時間や2万5000時間の寿命を持つLED電球はLEDチップとLEDドライバが熱的に切り離されている
ことがわかります。
LED電球がさまざまなが部品を備えている以上、故障する原因はLED電球にとって最も重要といえる
LEDチップだけでなく、他の部品にもあると考えられます。アメリカ合衆国エネルギー省(DOE)は
LED技術の研究開発を支援しており、LEDランプの寿命と故障原因に関するデータも収集している
とのこと。
以下の画像は、DOEが収集した5400個もの屋外に設置されたLEDランプの故障原因を円グラフにした
もの。興味深いことに、LEDチップ自体が原因となって故障した割合は全体の10%に過ぎず、59%は
LEDドライバの故障によってLEDランプが故障していることがわかりました。故障原因の31%を
占める住宅の問題は、屋内使用のLED電球を考える際には必要ありません。このデータは、
LED電球の寿命について重要なのはLEDチップではなく、LEDドライバであることを示しています。
LED電球の寿命は、構成部品のうちどれか一つの寿命以上にはなりません。LED電球を構成する
部品の中で最も寿命を制限しているのが、半導体と電解コンデンサであるとYapo氏は主張して
います。この2つはいずれも高温によって故障する確率が上昇し、周囲の温度がおよそ10度
下がると寿命が2倍になるとのこと。
【ギガジン】
https://gigazine.net/news/20190207-what-happened-lifetime-led-bulbs/
「5万時間もの長寿命」「10万時間使用可能」などとうたわれていました。
しかし、記事作成時点では販売されているLEDの多くが7500~2万5000時間程度の寿命と
なっています。「なぜLED電球の寿命は当初よりも減っているのか?」という疑問について、
エンジニアのTed Yapo氏が解説しています。
What Happened to the 100,000-Hour LED Bulbs? | Hackaday
【ハッカデー】
https://hackaday.com/2019/02/05/what-happened-to-the-100000-hour-led-bulbs/
Yapo氏によると、電球の寿命を語る際にはかつて白熱電球の生産と販売を支配するために結ばれた
国際的カルテル「ポイボス・カルテル」について避けて通れないとのこと。第1次世界大戦後の
1924年に結ばれたポイボス・カルテルは、アメリカ・フランス・ハンガリー・イギリス・ドイツと
いった複数の国の企業によって結ばれ、白熱電球の寿命が1000時間を超えないようにするという
規制を設けました。
ポイボス・カルテルが結ばれる以前は1500時間~2500時間以上の寿命を持つ白熱電球もありました
が、カルテルは「長寿命の白熱電球は効率を下げ、光量にも問題が出る」として、参加企業が1000
時間を超える寿命の電球を売らないように取り決めを結びました。カルテルは白熱電球の寿命を
およそ半分にし、11~16%程度明るさを増やすだけで、以前の倍の売り上げを達成することが
できたそうです。
メンバー企業が販売する電球は常時検査され、寿命が1000時間よりも著しく短かったり、著しく
長かったりすると罰金が科せられるシステムでした。この罰金契約については外部に公表されず、
電球の寿命が一律で1000時間程度であることには、効率性などの面での理論的根拠があると
見せかけられていたとのこと。カルテルは第二次世界大戦時に機能不全となりましたが、
20年近くにわたって白熱電球の発展を妨げ続けたとYapo氏は述べています。
電球のパッケージに「寿命は1000時間」と書かれている場合、この「寿命」とは平均定格寿命のこと
を指します。これは規定の条件下で試験した際の平均寿命値を示したものであり、「電球の初期
サンプルのうち50%が寿命を迎えた時点」が、平均定格寿命となるそうです。つまり、全電球の
うち半数程度しかパッケージに書かれた寿命を達成できず、残りの半数はパッケージの寿命を
超えて光り続けます。
LED電球の寿命について考えるために、実際のLED電球の仕組みについて考える必要があります。
Yapo氏は同じA19型のLED電球でありながら、寿命が「7500時間」「1万5000時間」「2万5000時間」
という3種類の電球を購入し、中身を確認してみたとのこと。
以下の画像にある3種類のLED電球は、左から「7500時間」「1万5000時間」「2万5000時間」の寿命
となっています。LED電球は光を発するLEDチップだけでなく、電源から送られる交流電流を直流
電流に変換するLEDドライバ、電解コンデンサなどの部品から構成されているとのこと。寿命が
7500時間のLED電球はLEDチップとLEDドライバが同じボード上に存在している一方、1万5000
時間や2万5000時間の寿命を持つLED電球はLEDチップとLEDドライバが熱的に切り離されている
ことがわかります。
LED電球がさまざまなが部品を備えている以上、故障する原因はLED電球にとって最も重要といえる
LEDチップだけでなく、他の部品にもあると考えられます。アメリカ合衆国エネルギー省(DOE)は
LED技術の研究開発を支援しており、LEDランプの寿命と故障原因に関するデータも収集している
とのこと。
以下の画像は、DOEが収集した5400個もの屋外に設置されたLEDランプの故障原因を円グラフにした
もの。興味深いことに、LEDチップ自体が原因となって故障した割合は全体の10%に過ぎず、59%は
LEDドライバの故障によってLEDランプが故障していることがわかりました。故障原因の31%を
占める住宅の問題は、屋内使用のLED電球を考える際には必要ありません。このデータは、
LED電球の寿命について重要なのはLEDチップではなく、LEDドライバであることを示しています。
LED電球の寿命は、構成部品のうちどれか一つの寿命以上にはなりません。LED電球を構成する
部品の中で最も寿命を制限しているのが、半導体と電解コンデンサであるとYapo氏は主張して
います。この2つはいずれも高温によって故障する確率が上昇し、周囲の温度がおよそ10度
下がると寿命が2倍になるとのこと。
【ギガジン】
https://gigazine.net/news/20190207-what-happened-lifetime-led-bulbs/
引用元: 【LED】初期「10万時間使用可能」➡現在「5000時間」なぜLED電球の寿命はだんだん短くなっているのか?
(C)2015 - 2019 まとめらいぶ
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