1まとめらいぶ2017/09/11(月) 17:27:58.97ID:CAP_USER.net


テクノロジーサイトStrange Partsを運営し、過去に「iPhone 6を1から自作した」
エンジニアのScotty Allen氏が、今度はiPhone 7にヘッドフォン端子を内蔵する
ことに成功するまでの道のりを記録した動画をYouTubeにアップしている。
多くの試行錯誤や、挫折を乗り越えて成功に辿り着いた
一大ドキュメンタリーとなっている。

 iPhoneは7でヘッドフォン端子が廃止された。Lightningからヘッドフォン端子への
変換ケーブルはあるものの、接続に一手間かかるので、有線ヘッドフォン/イヤフォン
を使いたいユーザーはヘッドフォン端子の復活を望んでいるだろう。

 Allen氏もそんな一人で、「ないのなら作ってしまえ」と、iPhone 7を改造し、
ヘッドフォン端子を内蔵するプロジェクトを実行した。言葉で書くと簡単そうだが、
一連の作業には中国のシンセンに滞在し、4カ月以上を費やしており、
壮大なプロジェクトとなっている。

 まずは中古のiPhone 7を分解し、ヘッドフォンジャックを内蔵できるかを確認する
ところから始まる。iPhone 6までヘッドフォンジャックがあった場所には、
気圧ベントと呼ばれる部品が搭載されている。まずはそれを取り外す。
だが、市販のヘッドフォンジャックを収める広さはなかった。

 そこで、バッテリ、タプティックエンジン
(ホームボタンのクリック感再現に使われている)の場所を少しずらし、筐体やヘッド
フォンジャック、シールドまでも削り取るが、まだ部品同士が干渉してしまう。
そこで、純正のLightning-ヘッドフォン変換アダプタを分解し、iPhone内部で接続、
分岐させる作戦に出た。これも1つ目は早々に壊してしまったので、さらに3つ購入。

 顕微鏡を使いながら、手作業でリード線をLightning端子内部にはんだ付けするが、
顕微鏡の使い勝手が悪いので、これも新しいものを購入。Lightningからブレイク
アウト基板経由でヘッドフォン変換アダプタにつないだところ、うまくいった。
ただし、これではLightningとヘッドフォンの切り替えができないので、
切り替えチップを搭載した独自基板を起こす。



この試作がうまくいったので、その回路をもとにPCBの設計に入る。PCBへの
チップ載せなども手作業だ。最初はうまく機能しないが、なんとか修正。
だが、これでもiPhone内部には入らない大きさだ。そこで、その回路を応用した
フレキシブル基板を作成する。フレキシブル基板が本当に中に入るかを確認するため、
設計図をプリントアウトし、紙でフレキシブル基板の型を作り、内蔵させて確認する。

 これにも成功したので、筐体にきれいにヘッドフォン端子を内蔵させるため、
CNCを所有している知人を訪れ、筐体に穴を空ける。

 だが、最後に完成した部品をすべて入れ込んで元に戻したところ、まだ何かの部品が
干渉していたようで、液晶が破壊されてしまった。再挑戦するも、2台目も破壊。
意気消沈する氏だが、慎重に慎重を重ねて再挑戦したところ三度目の正直で、
無事稼働できた。

 完成した回路は30ドルで販売されており(ただし今は完売)、Githubでオープンソース
としても公開されている。ヘッドフォンジャック内蔵のiPhone 7が欲しい人は、
挑戦してみるといいかもしれない。

 ただし、Allen氏がこのプロジェクトを完遂できたのは、
さまざまな電子機器・部品が手軽に入手できるシンセンに
いたからこそと言える部分もあるだろう。

【PC Watch】
 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1080112.html
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