1まとめらいぶ2017/08/02(水) 14:07:52.31ID:CAP_USER9.net
 「当たり屋グループがいっぱい広島に来てるらしい」「マジか!」「怖いよ」…。
こんな情報が7月初旬、ツイッターやフェイスブックをはじめネット上を駆け巡った。
交通事故の損害賠償金目的で故意に交通事故を起こすグループの車が大挙して広島に
やって来たというもので、当たり屋の車として山口や大阪のナンバーを記したリスト
も出回った。根拠のないデマだが、リストが書かれた用紙に、多くの人に注意を広め
るような指示もあったことから情報が拡散、信じた人も多かった。現代版「不幸の手
紙」のような当たり屋情報を追った。(山本尚美)

・次々と情報拡散

 リストが掲載された用紙には、「当たり屋グループが山口県、関西方面から来てい
ます。被害が続出していますのでくれぐれも注意してください」とあり、当たり屋の
車として山口ナンバーの車両10数台のほか、大阪、なにわ、和泉、神戸、姫路など
の車両ナンバーが掲載されている。出所は不明で、ナンバーも実在のものかどうかは
っきりしていない。

 また用紙では、「接触事故を起こしたら、その場で示談せず即座に警察に通報を」
「警察が到着する前に自分の住所などを教えない」など被害にあったときの注意や、
「(当たり屋は)サイドブレーキを引いて止まるのでストップランプは点灯しません」
といった犯行の手口も紹介。「コピーをできるだけ多くの方に配布して」と情報を広め
るよう呼びかけている。

 当たり屋に関する今回の騒動はどうやら、ここに書かれた内容が“元情報”になってい
るようで、用紙の画像や情報がツイッターなどに添付されたり、無料通信アプリ「LI
NE(ライン)」のタイムラインで“共有”されたりして拡散、さまざまな噂を呼ぶこと
になった。特に「山口県、関西方面から」という書き方から、広島に当たり屋がくると
思った人が多かったようだ。

 広島市で塗装業を営む30代の男性は、LINEに「ひとごとじゃないから気をつけ
よう」と書き込んだ。当たり屋の車両が広島県内に集結し、ターゲットを探してうろつ
いているとすれば、ただごとではない。特に仕事で車を使う人にとって事故は死活問題
で、「車間距離をしっかり取ろう」と添えたメッセージには、県内の友人ら約10人か
ら“いいね”が押されたという。

・当たり屋情報は昔から

 一般に広島は昔から当たり屋が多い地域といわれてきた。映画「仁義なき戦い」が象
徴するヤクザの街、特攻服姿で違法改造バイクを乗り回す暴走族の街-というイメージ
もあり、それが「広島に当たり屋」という情報に信憑(しんぴょう)性を持たせ、拡散
に拍車をかけた可能性もある。

 ただ、こうした当たり屋情報は昔からあり、情報の発信地や当たり屋がくるとされた
場所も岡山や静岡、福島、長崎など各地に散らばり、時折「デマ注意!」と呼びかける
メッセージもあった。

>>2以降に続きます

【産経WEST】
 http://www.sankei.com/west/news/170802/wst1708020003-n1.html

2まとめらいぶ2017/08/02(水) 14:08:51.43ID:CAP_USER9.net
>>1の続き

・情報の真偽は

 今回の場合はどうなのか。まず広島県警に聞くと、「そんな話は現在、把握していない」
とあっさり言われた。「偽情報か」と聞いても、「その紙を見てないのに、注意しなくてい
い、と言うのも適切ではないよね。じゃけ、何とも言われんよ」と慎重な答え。リストの情
報を伝えると、「当たり屋って、そんなに古いクラウンとかボンゴに乗っとるんか…」と笑
いを含んだ答えが返ってきた。

 では、リストの情報はどこから出てきたのか。

 ツイッター上では「町内会の回覧で回ってきた」「会社の朝礼で聞いた。拡散して
あげて」と、つぶやいた人もいる。先述のLINEの男性に入手元を聞くと「運送会
社勤務の友人から得た」といい、「(友人は)会社とかドライバー仲間から聞いたん
じゃないか」と推測する。

 そこで県トラック協会に尋ねると、担当者は「そのような書面は配布していない」
ときっぱり。法改正があった場合などに警察からの通達を加盟各社に配ることはあるが、
「当たり屋情報を配布したことは記憶にない」という。

・昔はファクス、今はネットで拡散

 とにかく真偽を確かめようと、再度、県警にリストのことなどを尋ねると、ある担当
者から「ああ昔見たことあるよ」という返答が。詳しく聞くと、20~30年前にも山
口ナンバー数十台の「当たり屋情報」が、ファクスなどで出回ったことがあるという。

 「(ツイッターなどで回っている)紙は見てないけえ、何とも言えんけど、山口とか
大阪のナンバーで、(分類番号が)2桁じゃろう。もう今の車はほとんど3桁じゃけえ
ね。なんで今また出て来たんか知らんけど」

 つまり20~30年前にファクスで拡散した情報が、時を経て最新ツールのネットを
介して再び現れ広まった、ということらしい。昔出回ったときも「怪文書」扱いだった
といい、今回の騒動も担当者は「(本当に)そこまでナンバーが分かっとるんなら、周
知いうより、捜査して検挙せにゃあいけんじゃろ」と一笑に付した。

・まるでゾンビ

 しかし、たとえデマであっても信じる人はおり、ネット上での拡散は防ぎようがな
い。場合によっては、ドライバーや自治体などを巻き込んだ混乱も懸念される。

 そんな中、浜松市は最近ホームページで「最近拡散している、当たり屋情報につき
ましては、浜松市で把握しているものではありません」と注意を喚起した。

 また、山口県萩市の防災危機管理課の公式ツイッターも昨年末、出回っている当たり
屋情報について「昭和61年頃に作成されたもの、内容はすべてデマ」とした上で、
「他車の番号を注視するより、ほかの車両や歩行者の動きに注意して、法令順守、安全
運転をお願いします」と呼びかけた。

 ファクスからネットへと流通の場を移し、まるでゾンビのように復活してくる当たり
屋情報。ネット上では「昔からあるのに、まだ信じるヤツ、いるのかよ」といったコメ
ントも見られるが、それでも、こうした情報は一向に後を絶たない。
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