1:まとめらいぶ:2017/06/04(日) 18:59:58.61ID:CAP_USER.net
【NEWS ポストセブン】
https://www.news-postseven.com/archives/20170604_560426.html
https://www.news-postseven.com/archives/20170604_560426.html?PAGE=2
https://www.news-postseven.com/archives/20170604_560426.html?PAGE=3
【研究部部長の三浦孝典氏とマーケティング部の岡本智充氏】
現在発売中の正露丸全商品
中年世代以上なら、その匂いを嗅げばすぐにああ、と名前が浮かぶはず。木クレオ
ソートの放つ独特な刺激的香り。ラッパのマークで知られる大幸薬品の胃腸薬「正露
丸」だ。日本に入ってきて百年を超える歴史があり、市場で約5割のシェアを持つ。
認知度は9割を超える、まさしく正統的ガリバー。
盤石に見えるその定番ブランドから、満を持して新製品が発表されたことをご存じだ
ろうか? 4月3日、「正露丸」シリーズの新製品として発表された「正露丸クイックC」
。振り返れば「正露丸」が発売されたのは115年も前。糖衣で飲みやすくした「セイロガ
ン糖衣」が登場したのは何と51年前のこと。それ以来の新製品というのだから驚く。
では今、わざわざ新しい製品を出す狙いとは何なのだろうか? 従来の「正露丸」との
違いはどこにあるのか? そのターゲットとは、いったい誰なのだろうか? 常に身近に
ありよく知っている常備薬だと思い込んできた「正露丸」。しかし、そのルーツについて
聞くと、目からウロコが落ちた。何も知らなかったことを知った。そもそもの名前は「忠
勇征露丸」。「正」ではなく「征」。“露を征する”つまり日露戦争と深い関係があるとい
うのだ。
「外地での戦争では衛生管理が重要な課題となっていました。戦闘よりも病気で死亡する
人の数が多かったからです。そのため軍人全員に忠勇征露丸の服用を命じた、という記録
(明治三十七八年戦役陸軍衛生史)も残っているんです」と大幸薬品広報部がまずはトリ
ビア的な歴史について教えてくれた。
戦後、その薬の製造販売権を継承した柴田音治郎が1946年大幸薬品を創業し、「製品名
も『征』から『正』へと変わりました」。
では今、51年ぶりに新製品を出した理由とは何なのでしょう?
「クイックCという製品名が示すように一番のポイントはすばやく溶けるという新しい機
能にあります」と研究部部長の三浦孝典氏(51)は言う。
「カプセルの中には液体が入っています。カプセルの皮膜はゼラチンですので約6分で全
て溶けて胃からすばやく吸収されるというメカニズムです」
しかし形状は変わっても、主成分は変わりません、と三浦氏は続ける。
「正露丸の有効成分は100年間、一部の生薬を除いてほとんど変更しておりません。ブナ
やマツの原木を火であぶり乾留した淡黄色透明の『木クレオソート』には、腸の水分をコ
ントロールしたり腸の蠕動(ぜんどう)運動を正常に戻す効能があります。一方で、腸内
の善玉菌を殺すことはなく、腸の働きを整えます」
主成分は変わらないが溶ける時間は大幅に短縮された。糖衣で15分、正露丸はそれ以上
かかるというのだから、新製品の「6分」はたしかに素早い。やはり速度が求められる時
代のせいでしょうか?
「たしかに、電車の中などで急にお腹が痛くなった時、すぐに効いてほしいというニーズ
は高まってきていますよね」
このストレス社会、10代20代は他の世代に比べ「下痢になりやすい」と自覚している比
率が高いことが1万2千人を対象にした同社の調査でわかったという。ところが、止瀉薬を
飲んだかどうかを聞くと、なんと「10代の約半数が未経験」(2013年)だったのだ。
「ぜひとも10代、20代の方々に伝えたい、というのが弊社の切実な願いです。核家族化な
どで親子の間で伝承される生活習慣も減ってきています。今後を考えると、我々としても
安住しているわけにはいかないのです」
歴史ある伝統薬・正露丸は、変化していく時代のニーズにいかに対応できるのかそれが
懸案であり課題だったのだ。初めて採用したカプセルの形状についても「若い世代への消
費者調査から方向性を固めていきました」とマーケティング部岡本智充氏(45)。
「健康食品やサプリメントが浸透し、若い人たちにとってカプセルは親しみ深い形状であ
る、という調査結果が得られました」
「クイックC」という新製品は生活の形と社会の急激な変化の中から必然的に生み出され
てきたと言えるだろう。
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【研究部部長の三浦孝典氏とマーケティング部の岡本智充氏】
現在発売中の正露丸全商品
中年世代以上なら、その匂いを嗅げばすぐにああ、と名前が浮かぶはず。木クレオ
ソートの放つ独特な刺激的香り。ラッパのマークで知られる大幸薬品の胃腸薬「正露
丸」だ。日本に入ってきて百年を超える歴史があり、市場で約5割のシェアを持つ。
認知度は9割を超える、まさしく正統的ガリバー。
盤石に見えるその定番ブランドから、満を持して新製品が発表されたことをご存じだ
ろうか? 4月3日、「正露丸」シリーズの新製品として発表された「正露丸クイックC」
。振り返れば「正露丸」が発売されたのは115年も前。糖衣で飲みやすくした「セイロガ
ン糖衣」が登場したのは何と51年前のこと。それ以来の新製品というのだから驚く。
では今、わざわざ新しい製品を出す狙いとは何なのだろうか? 従来の「正露丸」との
違いはどこにあるのか? そのターゲットとは、いったい誰なのだろうか? 常に身近に
ありよく知っている常備薬だと思い込んできた「正露丸」。しかし、そのルーツについて
聞くと、目からウロコが落ちた。何も知らなかったことを知った。そもそもの名前は「忠
勇征露丸」。「正」ではなく「征」。“露を征する”つまり日露戦争と深い関係があるとい
うのだ。
「外地での戦争では衛生管理が重要な課題となっていました。戦闘よりも病気で死亡する
人の数が多かったからです。そのため軍人全員に忠勇征露丸の服用を命じた、という記録
(明治三十七八年戦役陸軍衛生史)も残っているんです」と大幸薬品広報部がまずはトリ
ビア的な歴史について教えてくれた。
戦後、その薬の製造販売権を継承した柴田音治郎が1946年大幸薬品を創業し、「製品名
も『征』から『正』へと変わりました」。
では今、51年ぶりに新製品を出した理由とは何なのでしょう?
「クイックCという製品名が示すように一番のポイントはすばやく溶けるという新しい機
能にあります」と研究部部長の三浦孝典氏(51)は言う。
「カプセルの中には液体が入っています。カプセルの皮膜はゼラチンですので約6分で全
て溶けて胃からすばやく吸収されるというメカニズムです」
しかし形状は変わっても、主成分は変わりません、と三浦氏は続ける。
「正露丸の有効成分は100年間、一部の生薬を除いてほとんど変更しておりません。ブナ
やマツの原木を火であぶり乾留した淡黄色透明の『木クレオソート』には、腸の水分をコ
ントロールしたり腸の蠕動(ぜんどう)運動を正常に戻す効能があります。一方で、腸内
の善玉菌を殺すことはなく、腸の働きを整えます」
主成分は変わらないが溶ける時間は大幅に短縮された。糖衣で15分、正露丸はそれ以上
かかるというのだから、新製品の「6分」はたしかに素早い。やはり速度が求められる時
代のせいでしょうか?
「たしかに、電車の中などで急にお腹が痛くなった時、すぐに効いてほしいというニーズ
は高まってきていますよね」
このストレス社会、10代20代は他の世代に比べ「下痢になりやすい」と自覚している比
率が高いことが1万2千人を対象にした同社の調査でわかったという。ところが、止瀉薬を
飲んだかどうかを聞くと、なんと「10代の約半数が未経験」(2013年)だったのだ。
「ぜひとも10代、20代の方々に伝えたい、というのが弊社の切実な願いです。核家族化な
どで親子の間で伝承される生活習慣も減ってきています。今後を考えると、我々としても
安住しているわけにはいかないのです」
歴史ある伝統薬・正露丸は、変化していく時代のニーズにいかに対応できるのかそれが
懸案であり課題だったのだ。初めて採用したカプセルの形状についても「若い世代への消
費者調査から方向性を固めていきました」とマーケティング部岡本智充氏(45)。
「健康食品やサプリメントが浸透し、若い人たちにとってカプセルは親しみ深い形状であ
る、という調査結果が得られました」
「クイックC」という新製品は生活の形と社会の急激な変化の中から必然的に生み出され
てきたと言えるだろう。