1まとめらいぶ2017/05/16(火) 18:23:15.44ID:CAP_USER.net
現役サラリーマンが読む!仕事漫画

いま「サラリーマン漫画」に地殻変動が起きている。『課長 島耕作』のような出世
物語が廃れ、『社畜!修羅コーサク』のような「社畜漫画」が増えているのだ。現
役サラリーマンで、『サラリーマン漫画の戦後史』(洋泉社新書y)の著者が、その
背景を読み解く。漫画に社畜が増えている!「ノマド」が消えて「社畜」が残った。
日本人の働き方を巡る過去5年間の議論を圧縮すると、つまりそういうことになる。

新しい自由な働き方/生き方として提唱されたノマド・ワーキングは、会社にしがみ
つく不自由なサラリーマン=社畜への強烈なカウンターとして一世を風靡した。しか
しノマドが従来のフリーランサーと大差ないという現実が明らかになるにつれて幻想
は剥がれ、ブームは沈静化。ノマドによって掘り起こされてしまったサラリーマンの
社畜意識だけが、むき出しになって晒され、ブラックな労働環境の是正が課題として
浮かび上がっている、というわけだ。

顕在化した社畜意識は、漫画の世界にひとつのトレンドを生み出した。社畜を主人公
とした漫画が目立ち始めているのだ。

サラリーマンを描く漫画は、もう長いこと「島耕作」という圧倒的存在をベンチマー
クとして、働く喜び、労働のポジティブな側面にフォーカスするものが主流だった。
しかし、島耕作のような安定した老舗大企業での出世物語は、今や共感を得られない。

長時間労働が社会問題化する中で、会社に縛られた非人間的な働き方の是非を問う視
点が生み出した、サラリーマン漫画の新しい潮流「社畜漫画」。その守備範囲はギャ
グから実録まで幅広い。

島耕作パロディ、『カイジ』スピンオフ……社畜系ギャグ漫画
社蓄漫画として最もスタンスが明快なのが、弘兼憲史も黙認する究極の島耕作パロディ
として話題の『社畜!修羅コーサク』(江戸パイン/講談社/2016~)だ。若い頃の島
耕作に似た主人公が、修羅の国・墓多(はかた)に左遷され、社畜ならではの壮絶な自
虐技を駆使してサバイブするという展開は、さながら島耕作ミーツ北斗の拳。劇画調の
シリアスな絵柄が、ギャグの強度に拍車をかけている。

もともと本家の島耕作も「嫌な仕事で偉くなるより、好きな仕事で犬のように働きたい
さ」と“畜生志向”を公言する、潜在的な社畜。しかも部署異動しようが左遷されようが、
与えられた仕事は全てクリアして結果的に偉くなるという、究極のファンタジーとして
アイコン化している。そんな象徴的な存在を茶化し、会社を阿鼻叫喚のディストピアに
反転させた修羅コーサクは、島耕作の社畜性をアイロニカルに暴き出している。

既存漫画の登場人物を社畜に見立てたパロディとして、『中間管理録トネガワ』(萩原
天晴・他/講談社/2015~)も挙げておきたい。福本伸行の代表作『賭博黙示録カイジ』
に登場する悪徳企業幹部の利根川を主人公にしたスピンオフで、「このマンガがすごい!
2017」のオトコ編1位を受賞するなど、世間的評価も高い。

利根川は、たとえ休暇中であっても横暴な会長の無理難題に応えなければならず、一方で
気まぐれな部下たちからの信頼を得るために四苦八苦する。本編では憎々しく君臨した大
幹部も、裏側から見ればブラック企業の歯車、過重労働の中間管理職だったという悲喜劇
が、悪魔的なギャグに昇華されている。『カイジ』本編では、利根川はパワハラどころで
はない悲惨な体罰を受けて失脚してしまうので、そうなる前になんとか転職してほしくな
る。

社畜ギャグ漫画には『社畜と幽霊』(日日ねるこ/集英社/2016~)のような変わり種も
ある。オフィスで深夜まで残業する主人公に対し、女の幽霊が身の毛もよだつ嫌がらせを
執拗に繰り返す。仕事に集中したい主人公は幽霊を無視したり逆切れしたりして、やがて
二人の間に奇妙な連帯感が生まれ始める。幽霊はまるで仕事中にかまってほしがるペット
のようで、孤独な深夜オフィスに癒しを提供する存在に見えてくる。



『社畜!修羅コーサク』(江戸パイン/講談社)

【PRESIDENT Online】
 http://president.jp/articles/-/22024
【【働き方】『社畜』が主人公の漫画が増えている理由】の続きを読む